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植物療法が変えるセルフメディケーションの世界

オピニオン 2015年12月25日 (金)  林真一郎(グリーンフラスコ株式会社代表)

統合医療の普及に伴い、医薬品とメディカルハーブや、医薬品と精油の相互作用に注目が集まっています。1980年代にスタートした食品の機能性研究によって、食卓にのぼる野菜や果物もさまざまな機能を持つことが明らかになりました。したがって今後は医薬品ごとの相互作用に加えて、医薬品とメディカルハーブや医薬品と食品との相互作用についても配慮が必要になります。そこで今回は、メディカルハーブや精油と医薬品との相互作用について解説します。 薬物相互作用の実際 2000年5月10日に厚生省(現厚生労働省)はセントジョンズワートが肝薬物代謝酵素を誘導するため医薬品の効果を減弱する可能性があることから、インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(抗凝固薬)、経口避妊薬との併用に関する注意をおこないました。その後もイチョウ葉など、いくつかのメディカルハーブでも相互作用の発現の可能性が指摘されています。例えばメディカルハーブに含まれているポリフェノールは酵素や受容体の働きを修飾するため、どんなメディカルハーブであっても多少の相互作用を起...