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留学時代、2年で1200例の手術経験◆Vol.9

スペシャル企画 2016年1月12日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1968年3月、リバプール大学附属Alder Hey小児病院での研修を開始する。 リバプール時代、入院中の子どもたちと(提供:水田氏) リバプール駅に降りた途端、「逃げ出したい」と思った(笑)。2月だから、暗くて、寒くて。私がBig Daddyと呼ばせていただいた、Rickham教授からは、「ロンドンに着いたら、電話をしなさい」と言われており、何度かトライしたけど、かけ方が分からなかったから、「もういいや」と。駅から、タクシーに乗ったけれど、行けども行けども、着かない。「どこ連れて行かれるんだろうか」と、内心不安になった。小児病院まで、30分くらいかかった。到着したら、Big Daddyから、「こんなにちっこいのに、よく来たね」って頭撫でられた(笑)。 同期の研修医は全科で15~16人くらいいた。小児病院には世界各国から留学生が来ていた。宿舎や病院の食堂は、ドクター用、看護師用、他のスタッフ用と分かれていて、イギリスの階級社会が見てとれた。ドクター用の宿舎は無料で、勉強部屋と寝室の2部屋があり、医師8人に1人のメイドさんが付き、部屋の掃除などをしてくれたほか、朝はmorning t...