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ドイツの薬局・薬剤師レポート

オピニオン 2015年12月28日 (月)  アッセンハイマー慶子

ドイツでは2004年、増大する医療費を抑えるため大規模な医療制度改革が実施されました。これが薬局・薬剤師にとっての転機となりました。医療保険で償還される医薬品数の減少、保険請求薬価の見直し、OTC価格の自由化、支店の解禁(3店まで) など、ドイツの薬局は厳しい経営環境に置かれることになったのです。そのような中でも、「国民の健康を守る医薬品の専門家」というマインドを忘れず、業務の効率化とサービス・学術面の向上を図り、信頼される「行きつけ薬局」の地位を保つべく地道な努力を続けるドイツの薬局・薬剤師をレポートします。 ドイツの医療保険制度 ドイツは皆保険制度を採用しており、国民の約9割が公的医療保険に加入し、約1割が民間医療保険を利用しています。公的医療保険の保険料は給与額の15%前後で、日本同様に労使折半ですが、扶養家族の保険料は徴収されません。 また、一定給与水準以下の国民は公的医療保険に加入する義務があり、その給与水準は、2015年現在、月給4575ユーロ、年給で5万4900ユーロ(源泉徴収前)。加えて、公務員、自営業者、自由業者は給与額に関わらず民間医療保険に加入できます。 医療機関...