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強制的に急性期から老人病院へ、仏医療制度報告

レポート 2016年1月8日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

日本医師会の鈴木邦彦常任理事は1月6日の定例記者会見で、フランスの医療制度の視察結果をまとめた報告書『イギリス型に近づくフランス医療-日本は既存資源の活用が重要-』を紹介した。日本医師会・民間病院フランス医療・福祉調査団が2015年4月から5月にかけて視察した内容で、調査団長を務めた鈴木氏は、フランスでは地方医療庁(ARS)が強制的に病院の機能転換などを行っており、「ARSの強権的な姿勢が印象に残った」と報告した。 調査団の訪仏は2008年、2011年に続いて3度目。鈴木氏はフランスの医療体制について「(初回の調査時)日本は特殊と思っていたが、フランスはそっくりでうれしく思った」と説明。両国の医療体制の特徴として、医療へのアクセスの良さが長寿に貢献しているとして、(1)平等な国民皆保険制度、(2)実質的にフリーアクセスの確保された自由な開業医制、(3)重度者が気軽に利用できる療養病床を含めた入院医療の充実――の3点を指摘した。 一方でフランスでも公的コントロールの強化により、公費負担主体の医療やユニバーサルヘルスケアを特徴とするイギリスのNHSに近付いているという。2010年に設立され...