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研究成果、「個人のものにあらず」◆Vol.16

スペシャル企画 2016年1月19日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――生体肝移植を担当していた、肝・胆道グループのほか、他のグループも、それぞれに実績を上げた。 私が専門としていた輸液・代謝・新生児グループのほか、悪性腫瘍グループ、小腸・Hirschprung病グループ、消化管機能グループ、泌尿器グループ、そして肝・胆道グループの6つのグループに分けて、それぞれ臨床を担当してもらうとともに、研究テーマを設定した。各グループとも業績を上げ、数多くの論文を書き、学位取得者も数多く出した。 教授室には、大好きな犬のぬいぐるみを置いていた(提供:水田氏)(提供:水田氏) 当時は、小児医療をライフステージの一部として捉え、総合的なケアを目指す成育医療へと変わる時期。九大では、1980年から産科、小児科、小児外科の3科が一緒に周産期カンファレスを始めており、1989年5月には、国立大学では初の周産母子医療センターが九大病院に開設され、新生児グループがその運営の中核を担った。 悪性腫瘍グループで力を入れた一つが、乳児神経芽腫のマススクリーニングの有効性に関する臨床研究。九州地区全体の症例の解析から、日本で初めてマススクリーニングの有効性を疑問視する論文を1999年...