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在宅医療×EBMのケーススタディ

オピニオン 2016年1月14日 (木)  桑原 秀徳(病院薬剤師)

在宅医療にエビデンスを活かす――。一見、ハードルが高そうに思えますがそんなことはありません。何より、エビデンスを活用することで薬剤師はもっと確信を持って主体的に在宅に取り組めるはずです。 本連載では、病院薬剤師として在宅医療に携わる桑原秀徳氏に、在宅におけるエビデンスの活用法についてうかがいます。 「エビデンスを適用する」とは 今回も「エビデンスを適用する」をテーマにお話しします。前回は「生きがい」に関するエビデンスを例示して、まず自分にエビデンスを当てはめることを考えてみました。自分にエビデンスを適用することができれば、エビデンスを活かせない人はいません。ではもう一歩踏み込んで、薬剤師として、在宅の現場にエビデンスを適用してみるとしたらどのようなケースが考えられるでしょうか。今回は以下のような仮想症例シナリオで考えてみましょう。 仮想シナリオ あなたは、とある保険薬局で在宅医療にも関わっている薬剤師です。今回、担当している患者さんのご家族より相談を受けました。その患者さんは82歳女性のAさん。以前より認知機能低下がありましたが、1年前に脳梗塞を患ったことから脳血管型認知症の症状が顕著...