ドイツの薬局・薬剤師レポート
オピニオン
2016年1月18日 (月)
アッセンハイマー慶子
「かかりつけ薬局」の国であるドイツ 最近、日本のマスメディアで「かかりつけ薬局」という言葉を頻繁に見聞きするようになりました。それに伴い、日本ではドイツの薬局業務体制が注目されているようです。当然、日本とドイツでは「かかりつけ薬局」の定義が異なり、双方の薬局を制度面だけで比べても有効とはいえません。しかし、ドイツの「かかりつけ薬局」から日本が取り入れられるものは多いはずです。 そこで今回は、「ドイツでかかりつけ薬局が成立している理由」についてひも解きます。なぜドイツの薬局は「かかりつけ薬局」として存在できているのでしょうか。それには「薬局の開設・経営権、調剤権の所在」「物流システムの充実と道路事情」「処方箋業務の効率化」「薬局に対する認識」という4つの理由があります。 薬局の開設・経営権、調剤権の所在 1241年、神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ2世は、勅令により医師と薬剤師の職業を分け、薬剤師のみに薬局の開設・経営権と調剤権を与えました。これがドイツ医薬分業の始まりです。この原法は薬局関係法規である「Apothekengesetz(薬局法)」や「Apothekenbetriebsor...
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