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九大病院長就任、1年目で単年度収支は黒字に◆Vol.20

スペシャル企画 2016年1月23日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――病院長になって最初は、新たな経験の連続で苦労は多かったものの、次第に軌道に乗り始めた。 病院長になり、帳簿を見て、まず驚いたのが、収益の低さ。外来も入院も、患者さん1人当たりの単価がものすごく低かった。同規模の急性期病院が、入院単価1日5万円くらいだった時、九大病院は4万円そこそこだった。「そんなはずない。うちの方がよほど高度な医療をしている」と思い、なぜかと思って関係書類を全て調べたら、診療報酬の付け漏ればかり。 事務で診療報酬請求に詳しい職員とタッグを組んで、各科のヒアリングをやり、「あなたの科は、こう請求すれば、もっと売上が上がる」と教えて回った。不正をしろ、と言っているわけではなく、正しい治療をしたら、正しくその対価をもらうということ。各科で正しく請求できるようになると売上が上がり、結果的に新しい機器なども導入できるようになる。1日5万円の単価にすぐ上がり、付け漏れ対策だけで、年間6億円くらい収入が増えた。それで驚いたのは、大学側。「大学病院って、やり方一つで収益があがるんだ」と言い始めた(笑)。 また私立大学などでは、当たり前のように、医療材料などは病院全体で一括購入して...