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「キーパーソンに任せる」「何事もフェアに」◆Vol.22

スペシャル企画 2016年1月25日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――さまざまな改革を進める中、国立大学は定員削減の一辺倒で、2005年度末に、九大病院の定員を13人削減するよう、要請が来た。 「冗談でしょう」と思い、削減を食い止めるために始めたのが根拠作り。九大病院の場合、当時は医師1人当たりの年間収益は、少なく見積もっても6000万~7000万円。必要経費を差し引いても、13人の削減は、かなりの減益になる。そうした計算書を持って、当時の九大総長、梶山千里先生のもとに直訴に行った。総長室で、「先生、これご存じでしょうか」と見せたら、総長も、「え、何でそういうことになるのか?」とびっくりして、「病院の定員削減なし、凍結」って言ってくれた。 13 人のうち、7人は医師が辞めても、プール制という制度のために何年間も補充できなかった診療科に充て、残り6人は救急救命センターの設置に使った。それまで救急部は麻酔科だけでやっていた。しかし、全科が集まらないと、救急部は運営できない。そこで、内科、脳神経外科、小児科、整形外科、循環器内科、麻酔科の各科に依頼して医師を出してもらい、2006年8月から立ち上げたのが、救命救急センター。 救命救急センターのほか、がんセン...