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がん研で「別次元の手術」に出会う◆Vol.8

スペシャル企画 2016年2月8日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――八千代病院時代、がん研病院に研修に行き、出会った梶谷鐶氏が、人生2人目の師となった。 梶谷先生の手術は、今まで習っていたのとは全く別世界。もちろん、八千代病院の佐藤先生も、すばらしい先生だったけれど、心臓外科中心の名大第一外科の手術と、がん専門の外科の手術は違っていたのかもしれない。 梶谷先生は黙々と手を動かし、時折、電気メスからは火花が飛び散り、手術室は焦げ臭いにおいが充満していた。先生は、胃がんであれ、大腸がんであれ、周囲のリンパ節も含め、本当に素早く摘出されていた。その手際の良さは、僕の目に、神業のように映った。先生の手術を見て、本当にカルチャーショックを受けるとともに、「これは、絶対に習わないといかん」と思う気持ちが、湧き出てきた。 がん研病院での1週間の研修を終えた後、すぐに八千代病院の七野院長に報告し、「がん研に、行きたい」とお願いしたら、「週1日研究日をやるから、勉強してこい」と言ってくださった。八千代病院での研修3年目から週1日、がん研に通うようになった。 毎週月曜日の朝、9時からの手術に間に合うように、名古屋発6時9分の「ひかり」に乗って、がん研まで通った。梶谷先...