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手術は逃げるべからず、「鐶語録」◆Vol.9

スペシャル企画 2016年2月9日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――医師免許取得から5年目の1973年4月から1974年9月までの1年半、東京のがん研病院(現がん研有明病院)に、研修に行く。 八千代病院での研修は一般外科で、国道1号線に近く、救急搬送が多かったこともあり、救急医療が中心だった。胃のレントゲン透視に興味を持っていたため、早期胃がんの診断については、内科の先生から学んでいたけれど、がんの外科手術のことはあまり経験がなく、また学ぶ機会も少なかった。 八千代病院で3年間、研修をしたのは大きかったけれど、それ以上に大きな転換期となったのが、がん研病院での研修。 がん研病院の梶谷先生は本当に、厳しく教えてくれてね。1970年代、がんの手術では、「根こそぎ、きちんと取る」という方向に進んでいて、梶谷先生は、胃がん、食道がん、大腸がん、乳がん、肺がんなど、さまざまながんについて、その手術方法を開拓されていった。そんな梶谷先生の手術に入り、助手として間近に見ることができ、本当に勉強になった。僕は、月、水、金曜日が手術日で、朝から晩までオペ室にいた。それ以外の日は、内視鏡をやったり、病理学の手ほどきを受け、これらも大変勉強になった。 執刀医としても、結...