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薬剤師のためのワクチン入門

オピニオン 2016年2月3日 (水)  石塚稔(多摩大学 医療・介護ソリューション研究所 フェロー)

HPVワクチン接種を相談されたらどう応えるか? 子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は2010年11月に公費助成が開始。13年4月に定期接種化され、その2カ月後の6月に接種の積極的勧奨が中止された。2014年11月までに約338万人が接種を受けた。厚労省の追跡調査で接種後、痛みなどの症状が回復していない人が全国に186人いる。このように子宮頸がん予防ワクチンの重篤な副反応について不安が高まるなか、薬剤師など医療関係者が、同ワクチンの定期接種を受けるべきか、相談されたらどう応えるか? 私は、現在も国が積極的な勧奨をやめている事実だけを伝えるだけでいいと考える。その理由は2つ。1つ目は、医師や専門家の間でさえ接種と重篤な副反応例の因果関係に対する見解が違うこと。2つ目は、9月に開かれた専門部会(*1)の決定内容とその後の対応の矛盾だ。 *1 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同部会 (資料) 9.17 副反応疑い例に対する追跡調査の結果、成分と症状の因果関係を否定されたにも関わらず、なぜか勧奨を再開しない。あくま...