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「胆道がん手術は、お前しかできない」◆Vol.20

スペシャル企画 2016年2月20日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2000年11月から2002年10月までの2年間、名大病院の病院長を務めることになった。 病院長は、今は立候補してからの選挙だけれど、僕の時代は教授会でいきなり選挙を行って決めた。確かに選挙前に、ある懇親会の場で、4年後輩の安藤教授からは、「二村先生に、ぜひ病院長になっていただきたい」と言われたことはあったが……。彼は「二村先生は、絶対に嫌だと言われるだろうけれど、今回辞退しても、絶対に次が回ってくる。次回だと国立大学の法人化を迎える時なので、より大変だから、今やっておいた方がいい」とも言っていた。 しかし、知り合いの医師からは、反対の声というか、疑問の声が上がった。手術や研究が上り調子の時で、国内はもちろん海外にも名前が知られていた時代であり、病院長になれば忙しくなり、手術ができなくなる懸念があった。海外で胆道がんの最先端を競っていた医師や、国内の大勢の医師たちから「なぜ、お前が病院のマネジメントをやるのだ!」「胆道がんの手術は、お前しかできない。病院長はお前以外にもできるだろう」といった声が届いた。 ただ、さすがに教授会で投票で決まった以上、やらざるを得ないと思った。その上、国...