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患者の死と向き合う――在宅が教えてくれたもの

オピニオン 2016年2月8日 (月)  藤澤節子(薬局ルンルンファーマシー代表取締役)

東京・武蔵野市で20年間に渡り在宅医療に携わってきた「薬局ルンルンファーマシー」の藤澤節子先生。この連載では、在宅を通じて出会った患者さんとのエピソードをお話していただきます。 今回は、2015年5月22日のカンヌ映画祭で上映された「仁義なき戦い」や「バトル・ロワイアル」など、日本映画を代表する作品を数多く制作してこられてきた映画監督、深作欣二さんとの出会いをご紹介いたします。 患者が困っていることに目を向ける 深作さんが前立腺がんの再発を伝えられたのは、映画「バトル・ロワイアルⅡ」のクランクインを半年後に控えたころ。このころから私が服薬管理を担当することになりました。深作さんは皆さんもご存知の通り、深作さんは映画界の重鎮。初めてお会いしたときは大変緊張しましたが、気さくに話しかけてくださる優しい男性でした。 深作さんは以前から作用時間の長い麻薬を内服していました。麻薬を使用しているときは痛みがないものの、副作用として眠気や吐き気、便秘の症状があり、それらを抑えるために、覚せい剤や睡眠薬など複数の薬が処方されていました。当然、薬剤師から薬剤についての説明があったそうですが、薬剤数が多い...