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腹腔鏡事故、「逃げない、隠さない、ごまかさない」◆Vol.22

スペシャル企画 2016年2月22日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2002年8月、名大病院で、腹腔鏡手術中の大動脈損傷による死亡事故が起き、メディアでも大々的に報道された。 1999年の東京都立広尾病院の医療事故が起き、医師法21条が問題になってから、日本外科学会や国立大学病院長会議で、医療事故への対応や異状死をどう扱うかを議論していた。その過程でも、いろいろな事故が起き、テレビで記者会見の様子が報道されたりしていた。柔道関連で知り合いの先輩も、ある大学の病院長をやっていた時に医療事故が起き、その先輩が記者会見で頭を下げるのを、僕もテレビや新聞で見ていた。ある会議の席で、その先輩にお会いした時に、「おい、二村君」「なんですか」「いいこと教えたる」と言ってね。会見で頭を下げたけれど、「頭の下げ方が悪い」とまでメディアに叩かれたとか。「お前さんも、病院長やっとるから、もし何かあったら、教えたる」と。「あと半年ですから、まあ僕は大丈夫そうですよ」とか言っていたら、2002年10月末で任期が終わる約2カ月前に事故が起きた。 医療事故に対しても、病院長自らが前面に立って対応しないとダメと語る二村氏(撮影:近藤宏樹) 医療事故への対応は、それまでいろいろな会...