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90歳の患者にTAVIをやるべきか?◆Vol.6

スペシャル企画 2016年2月24日 (水)  聞き手:橋本佳子(m3.com編集長)、まとめ:成相通子(m3.com編集部)

渋谷 こういうのは許せないとか、直面している問題、課題はありますか? 伊藤 目の前の課題では、経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)をやる人たち。 医療の進歩と高齢化社会に関して、疑問を投げかける伊藤丈二氏。 渋谷 (手術支援ロボットの)ダヴィンチも? 伊藤 はい。技術はどんどん進歩して、やろうと思えば何でもできてしまう。目の前の患者に、技術的にできるからやるのではなくて、医療経済面から見てもその患者に一番適切な治療を選択しないといけないのではないか。 渋谷 伊藤先生は、90歳を超えた方にはTAVIをやることに、懐疑的だと言っていましたね(『「20年後のドクター像を描く」、座談会◆Vol.1を参照』。何をしたらいいと思いますか。 伊藤 僕の両親だったら、「寿命でいいじゃない」と思います。治療を続けるのではなく、緩和ケアが重要だと思います。 吉野 何歳までやるのだろう、とは思いますよね。 伊藤 何のために生きるのかと。 公平 上限が無いですよね。 伊藤 手術の同意を取る時ですよね。本当に本人が望んでいるのか、いつも疑問に思う。家族がやってほしいからということでやっている。 渋谷 分...