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外科医の評価、日本は低すぎる◆Vol.26

スペシャル企画 2016年2月26日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――外科医はなり手不足。その現状をどう見ているのだろうか。 2014年、IHPBA(国際肝胆膵学会)で リビング レジェンド レクチャー(提供:二村氏) 確かに外科は厳しい科として嫌われる傾向にある。僕の次に日本外科学会会長を務めた門田守人先生(編集部注:当時は大阪大学教授、現がん研有明病院名誉院長)の時に、外科医の実態調査などを基に、その後の外科医数を推計し、2018年には新規入会数がゼロになるという試算を公表した。 実は、アメリカでも、同じように外科医の危機が叫ばれていた時代があった。ハードワークが一番の原因。確かに以前のアメリカのレジデントは日本と比べものにならないくらいハード。僕が留学した頃も、チーフレジデントのラウンドが午前6時から始まるので、その前にレジデントは病棟の回診をしておかなくてはいけないし、実習中の5 年生の学生さんは午前5 時くらいには病院に集まっていた。 アメリカでは、過酷な労働環境についての議論が始まり、彼らの労働を守らなければいけないとなり、法律ができた。例えば、「36時間連続勤務」を禁止し、当直明けは休ませるといったルールができた。給与体系も見直...