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有賀徹・昭和大学教授、「医療は総力戦で戦え!」

レポート 2016年2月17日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

昭和大学救急医学講座教授の有賀徹氏。 昭和大学救急医学講座教授の有賀徹氏の最終講義が2月12日、「我が国の医療提供の仕組みと医療者の未来」をテーマに、同大の臨床講堂で開催された。 「救急医学を学ぶ者、指導する者、従事する者には、地域社会のからくりに対する洞察力、考察が求められる」。これが最終講義に込められたメッセージだ。 昭和大学での臨床、研究、教育に加え、東京都の救急医療システムの構築にも尽力するなど、対外的な活動も幅広い有賀氏。最終講義には、同大の学生や教員、看護師をはじめとする病院職員のほか、学外からも多数が聴講に訪れた。 約1時間20分にわたった有賀氏の最終講義の特色は、自身の業績、つまり「過去」ではなく、日本の医療の「未来」を語ったこと。「地域包括ケアシステム」「職能の移譲」「総力戦」がそのキーワードだ。医療の中でも、救急医療という社会の在り様と密接に関わる分野に長年携わったきた立場ならではの講義内容だった。 高齢者人口の増加に伴い、特に救急医療においては、「三つのひっ迫」があるという。第一は、救急搬送件数の増加という量的なひっ迫。第二は、救急患者の疾病構造の変化や救急対応後...