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新専門医制度、「延期も視野」と日医会長

レポート 2016年2月17日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

日医会長の横倉義武氏。 日本医師会会長の横倉義武氏は2月17日の定例記者会見で、新専門医制度について、「現状のまま改革を進めると、地域医療の現場に大きな混乱をもたらすことが懸念される。新制度が地域包括ケアシステム構築の阻害要因になってはならない」との危機感を示し、2017年度からの新制度開始について、延期も視野に入れ、まずは地域で研修病院群を形成することが優先課題であると主張した。さらに、専門医制度改革を主導する日本専門医機構と各学会の役割についても、「機構だけが独走することはあってはならない」(横倉会長)とし、整理が必要だとした。 日医は、これらの点について、2月18日に予定されている厚生労働省の社会保障審議会医療部会で問題提起する方針。 横倉会長が、新専門医制度の地域への影響を懸念するのは、(1)基本領域の専門医は高度急性期・急性期医療を担う医師の養成が主であり、今後の医療ニーズとは齟齬が生じる、(2)症例数や指導医数が多い都市部の大病院に専攻医が集中して、医師の地域格差がさらに拡大する――と見ていることが主な理由だ。各地域、特に地域密着型の医療を担う医療機関から、これらの点を不安...