1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 断食中の患者が来たら?外国人対応を学ぶ

断食中の患者が来たら?外国人対応を学ぶ

レポート 2016年2月22日 (月)  成相通子(m3.com編集部)

ラマダン(断食期間)中にイスラム教徒が脱水症状で倒れ、搬送されたらどうするか――。 来日外国人が急増する中、医療機関における多言語・多文化対応は喫緊の課題だ。外国人の新患が1カ月に100人以上来院する東京都の国立国際医療研究センターでは、2020年の東京五輪開催も見据え、外国人患者の受け入れ体制を強化している。自院だけでなく他の医療機関でも関心を高め、外国人への医療を向上するため、「外国人医療実践講座」を開始した。2月16日に開いた勉強会「イスラム教徒の患者対応とハラル」では、院内外の医療関係者約50人が集まり、同センターの取り組みや具体例を通じて、今後の課題や対応策を学んだ。 保険が無い場合は2倍の治療費 国立国際医療研究センターは、1993年の設立から 、開発途上国の技術支援や技術協力プログラムを展開し、多くの研修員を受け入れる「医療分野の国際貢献の拠点」だ。2020年の東京五輪開催や近年の訪日外国人増加などを踏まえ、外国人患者の受け入れ体制を強化している。 副院長の原徹男氏の説明では、同センターの外国人の新患患者は、外来で約3%、入院で約4%を占め、1カ月で100人~200人以上...