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「乳腺外科と病理の間で連携不足」、千葉がん・取り違え事故

レポート 2016年2月18日 (木)  高橋直純(m3.com編集部)

千葉県がんセンターで2015年12月に、病理検体の取り違えにより30代の乳がん患者の右乳房を誤って切除した問題で、院内事故調査委員会は2月17日、「病理検体の取り違え事故に関する報告書」を公表し、記者会会見を開いた。取り違えが起きた範囲を、検体採取後から病理検査室で検体をカセットに入れる間の可能性が高いと報告。この間のどこで取り違えたかについては、職員の記憶に基づいてしか検証できず、委員長を務めた長谷川剛氏(上尾中央総合病院院長補佐兼情報管理部長)は「客観的な証拠での検討はこれ以上不可能だった」と述べた。 診断意思決定プロセスにおいては「乳腺外科グループおよび病理診断グループの診断に対する 認識の不十分さと相互連携が機能していないことは指摘せざるを得ない」と総括。改善には臨床検査技師の増員などが必要と指摘した(報告書は、千葉県がんセンターのホームページ)。 院内調査委員会は外部委員4人、内部委員5人で構成。2016年1月8日に第1回を開き、都内で3回開催。がんセンターにも2回訪問した。両患者ともヒアリングを希望しなかった。報告書の作成においては、「今回はがんセンターのミスが原因であるこ...