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これから20年の国際貢献のゆくえ―途上国医療のこれから

オピニオン 2016年2月29日 (月)  吉岡秀人(ジャパンハート代表)

時の流れは速いものだ。 20年なんてあっという間。 しかし20年あれば十分、時代は大きく動いている。 1980年代中頃、医師を目指して医学部に入学した。医師を目指した理由はたった一つ。絶対に医療を受けることができない人々に医療を届けたいと思ったからだ。 そして30歳のとき日本で数年間医師としての勉強を終了し、途上国へ向かう。 そしてミャンマーを訪れた。 私が医師を目指したとき外国で働くというのは、北米や欧州で勉強や研究に行くこととほぼ同義だった。医師として途上国で働くなどということはもちろんほとんど有りえない選択肢だった。 もちろん、日本政府や国際協力事業団(JICA)からの派遣として幾ばくかの期間、技術協力・指導などの目的でその土地に赴くことは選択肢として与えられていた。しかし、それはしっかりとしたステイタスと高額のサラリーが保証された特別な分野であった。 そんな時代に、日本政府の後押しもなく、途上国医療を目指し、実際に途上国の医療現場に赴く人間は完全に標準の±2S.D.(標準偏差)外、しかもマイナス2S.D.のはるか彼方に存在するまさにoutlierであり、それは否定の対象にすらな...