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全壊した石巻市立病院、9月に新病院【宮城編◆Vol.4】

スペシャル企画 2016年3月3日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

今年9月、震災で甚大な被害を受け、診療不能に陥った石巻市立病院は、再スタートを切る。津波の危険を避け、沿岸部から移転し、機能も一新。以前は急性期病院だったが、一般病床と療養病床とのケアミックスに転換、地域包括ケアシステムの拠点を目指す。2025年に向け、医療機能の分担と連携体制の構築は全国共通の課題だが、石巻市では震災がきっかけとなり、その推進が進む。 「がんばろう!石巻」 JR石巻駅に震災直後から掲げられている看板だ。その駅前に、東日本大震災からの復興を象徴するように、石巻市立病院の建築が進められている。オープンは今年9月1日の予定だ。震災当時、沿岸部にあった同病院は津波で甚大な被害を受けた。その被害額は被災医療機関の中でも最大級だ(『現地リポート、震災から3カ月の石巻の今◆Vol.1』を参照)。旧病院の場所は、石巻市の中でも一番被害が大きかった地域。震災後、石巻市の復興計画において「非居住地域」に指定された。 以前は急性期医療がメーンだったが、新病院は機能を転換、急性期だけでなく、回復期、慢性期の医療までを担う病院に生まれ変わり、在宅医療も担う。震災前から院長を務める院長の伊勢秀雄...