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「選定療養」の乱用、「医療技術」の差額徴収の画策指弾

オピニオン 2016年3月1日 (火)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

1月29日、中医協に、選定療養の新たな「類型の追加」として「治療中の疾病又は負傷とは直接関係しない検査」が提案された。これは従来の実費徴収項目の追加である。しかも現行の類型を「医療行為等の選択に関するもの」とすり替え、実費徴収通知の明確化、選定療養の性格の変更と併せた提案となっており、議論の混乱、錯綜を画策した感がある。狙いは「医療技術」への選定療養の導入であるとわれわれは考えている。医療保険の給付範囲の縮小と対を成す、医療技術の混合診療であり、先の「拡大治験」による、再生医療品、遺伝子治療薬などの未承認薬の混合診療に続き、皆保険を歪め形骸化させていく。われわれは選定療養の改編策動に強く反対する。 ◆成長戦略に位置づけられた、選定療養の見直し 「医療行為等の選択」は旧来からの転換 選定療養とは、「保険導入を前提としない」とする保険外併用療養(混合診療)である。療養の給付(治療)と関連するアメニティーが該当とされ10種類ある。代表的なものは差額ベッドであり、裏を返すと、個室、二人部屋の療養環境は、健康保険では対応せず、自費(差額料金)でとなる。 ことの発端は、「日本再興戦略」(2014)...