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被災地、「高齢、困窮、メンタルヘルス」の患者増◆Vol.7

医師調査 2016年3月10日 (木)  高橋直純(m3.com編集部)

Q 震災前と比べて、2016年時点の患者の動向に変化はありますか。【複数選択】 患者動向では、3県全体では「高齢層が増えた」が44%で最多。「生活困窮者が増えた」35%、「メンタルヘルスの患者が増えた」29%と続いた。 県別に見ると、福島県で「若年層が減った」「受診回数が増えた」「生活習慣病の患者が増えた」という回答が、宮城、岩手両県の2倍超となっていた。「メンタルヘルス」も高い傾向にあり、原発事故の影響が関連している可能性をうかがわせた。 ■患者動向の変化について 【岩手県】 ・高齢者が増加し、生活困窮者が増加してきている。 ・生活習慣病、不活発病に起因する病態が増えた。高齢者も増えたが、徐々に当地からの流出も増えてきた。若年者の復興関連事業による外傷や傷病は震災以前より増えており、しかも忙しいことを理由に十分な治療を受けてもらえない。復興関連事業者や事業所は、かなりブラックな状態と思われる。自覚してくれない患者も多い。衛生観念の低回、栄養摂取に関心が向けられていない。偏食、多飲も問題である。 ・被災者の医療費の減免はあるが、交通手段の問題が依然として残り、受診抑制は潜在化しているよ...