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施設基準の不合理を考える

オピニオン 2016年3月12日 (土)  渡辺亨(浜松オンコロジーセンター院長)

今さら言っても間に合わないけれど、同じ事をやっていても「病院」では加算がとれるけれど、「診療所」では加算がとれない、と言う項目が沢山あり、街角がん診療所を推進する立場で、とても不条理を感じます。間に合わない、と言うのは、「平成28年度の保険診療点数の改訂に」ということです。 「無菌製剤処理料」という項目があります。無菌製剤処理とは「無菌室、クリーンベンチ、安全キャビネット等の無菌環境において、無菌化した器具を用いて、製剤処理を行い、無菌製剤処理を常勤の薬剤師が行うとともに、その都度、当該処理に関する記録を整備し、保管しておくことが義務づけられています。 それで、エンドキサンなどの「揮発性の高い薬剤」を使用する場合には、「閉鎖式接続機器」を使用した場合に150点(=1500円)の加算がつく、というもの。この閉鎖式接続機器は、点滴チューブとかの接続の際に、薬剤が一切、漏れないように出来ている、確かに優れものですが、一回の点滴分で、現金正価2,000円ぐらいします。ですから、そもそもこれを使って、加算をとっても「足がでる」のですが、医療者にとって安全性が高い器具ですから、積極的に導入すべきと...