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「こんな矛盾した内容は書かない」、改ざん後のデータを参加医師が確認

レポート 2016年3月9日 (水)  高橋直純(m3.com編集部)

ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第15回公判が、3月8日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、2006年までKHS(Kyoto HEART Study)の事務局を務めた男性医師(以下、男性医師Bと表記)の証人尋問が行われた。検察側が改ざんがあったと主張する45症例のうち16症例が男性医師Bの登録症例で、いずれも「解析用データの作成に関与したことはない」と主張した。 検察側の主尋問によると、男性医師Bは京都府立医科大循環器内科で助教授まで務め、KHSでは開始時から大学を辞める2006年3月まで事務局の責任者だった。事務局を辞めた後も、関西地方を離れる2009年まで登録医としてKHSに関与していた。 検察側はKHSの登録症例のうち45症例で、参加医師が登録したweb入力データと、論文の解析用データが違っていると主張している(『45症例で報告データと解析データに違い、検察側解析結果』を参照)。45症例のうち、16症例は男性医師Bが登録、主治医として報告...