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「運動器検診」を迎えるに当たって

オピニオン 2016年3月12日 (土)  久保谷康夫(岩手西北医師会副会長、社団医療法人康生会鶯宿温泉病院会長)

この4月(2016年)から学校健診に、従前からの側弯症検診に加えて「四肢の状態の観察・検査」の項目、いわゆる「運動器検診」が追加されました。運動器検診は、学校保健安全法施行規則の一部が改正されたことによるものであり、検診の対象は、小学1年生から高校3年生(各種学校を含む)までの約1300万人が対象となり、毎年、検診することが義務化され、必要に応じて幼稚園児や大学生も実施することが規定されました。 この法令は、2014年の春に公布されましたが、医療の第一線の関係者には疎い情報だったこともあり、さらに、運動器検診に関する情報に対して、医師の多くがあまり関心を持たない状況にありました。また、学校健診・検診は、小児科、内科等の医師が大半を担っており、眼科と耳鼻科に関する検診は、それぞれの専門医が一般の学校医とは別に検診に対応しています。 そのような現行制度下で、運動器検診は運動器、すなわち整形外科学の専門領域であることから整形外科医による対応が望まれ、また、前例として、眼科や耳鼻科検診が地方交付税を財源(参考1)としてなされており、運動器検診も当該交付税によりなされることが望まれますが、当該財...