1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. “事故調”、「報告」と「予期」を生かせ - 長谷川剛・上尾中央総合病院院長補佐に聞く◆Vol.2

“事故調”、「報告」と「予期」を生かせ - 長谷川剛・上尾中央総合病院院長補佐に聞く◆Vol.2

インタビュー 2016年4月6日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――昨年10月から始まった医療事故調査制度について、お聞きします。「報告数が少ない」との指摘もあります(『「医療過誤か否かで、報告の要否判断」との誤解も』を参照)。 多いか少ないかは別として、長年、医療安全に取り組んできた医療者にとっては、医療事故とは、インシデント・アクシデントレポート区分における「レベル3以上」〔仮に実施されていた場合,身体への影響は大きい(生命に影響し得る)と考えられる〕であり、今回の制度における医療事故の制度は、従来のターミノロジーとは大きく異なります。医療法上、「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産であって,当該管理者が当該死亡または死産を予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるもの」と規定されています。つまり医療事故という言葉を新たに定義したということになります。 その上、報告すべき医療事故の解釈が、各種ガイドラインやセミナーでの説明が異なることもあり、医療機関や支援団体などによって、同じ事例であっても「それは報告しなくていい」あるいは「報告すべき」と判断に相違があります。報告するか否かの判断は、「...