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ピロリ菌除菌で「胃がん撲滅」を目指す◆Vol.1

スペシャル企画 2016年4月1日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

北大名誉教授の浅香正博氏は、国内外でピロリ菌研究の第一人者として知られる。胃がんをはじめ、消化器系疾患との関連が明らかになるにつれ、ピロリ菌除菌の保険適用が拡大、2013年にはヘリコバクター・ピロリ感染胃炎での除菌が認められた。この一連の過程で、各種研究を通じて多大な貢献をしてきたのが、浅香氏だ。 浅香氏がピロリ菌という新たな研究テーマに取り組んだのは、1987年、39歳の時だ。1990年代は、ピロリ菌研究に冷ややかな目を向ける医師も多かったという。「性格のためか、『何の苦労もなかったのでは』と言われるが、苦労と挫折の連続」と語る浅香氏。この4月から北海道医療大学学長を務める浅香氏の「私の医歴書」をこの4月、計30回の連載でお届けする。 ――浅香氏は、ピロリ菌に関する研究の第一人者。2008年、Lancet誌に掲載された「JAPAN GAST Study Group」の結果は、ピロリ菌除菌によるがん予防効果を示した世界初の論文だった。 自分が教授に就任した日は覚えていませんが、「JAPAN GAST Study Group」の結果がオープンになった日ははっきりと覚えています。それは20...