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中学は札幌へ、満員電車に乗れず◆Vol.3

スペシャル企画 2016年4月3日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

――中学校は、地元の美幌ではなく、札幌市にある北海道学芸大学(現北海道教育大学)附属札幌中学校に入学した。1960年4月のことだ。 当時は、美幌町でも、「きちんとした教育を受けるなら札幌の学校に進学する」というのが流行でした。中には、東京の中学校に行った人もいます。 札幌中学校は小学校から進級する人が90%あまりを占め、中学校の段階で外から募集するのは10人程度でした。父が知り合いからこの中学が優秀であることを聞き、私に「受験をしてみないか」と言ってきたのです。札幌の小学校から入学するのも難しいのに、田舎の小学校から受験するなどは無謀であると美幌小学校の先生から言われました。受験勉強をするために、父の書斎を借りていたけれど、勉強をするふりをして、父の書棚にあった本を片っ端から読んでいました(笑)。「日本文学全集」や『大東亜戦記』などです。 受験番号は1番。母が願書を早くから出しに行ってくれたからです。受験当日は、「ここも、あそこもできなかった」と言ったら、母が怒り出してね。「どうせ落ちるのだろうけれど、それにしても落ち方がある」と。それでも幸い無事、合格しました。 実父は、北海道美幌町...