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福島医大、寄付講座活用し医師不足に対応【福島編◆Vol.1】

スペシャル企画 2016年3月25日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

もともと医師不足が深刻だった福島県は、東日本大震災による福島第一原発事故で、さらに苦境に陥った。福島県立医科大学は県内唯一の医師養成校、そして公立大学として、県と一体となって地域医療を守るためのさまざまな取り組みを行っている。 医師1人分を派遣するため6人分のポスト 原発事故で生じた避難区域の医療再生拠点として、県が楢葉町に整備した「県立大野病院付属ふたば復興診療所」(愛称・ふたばリカーレ)が2月1日から診療を開始した。診療科は内科と整形外科で、平日午前9時半から午後4時まで診療を受け付ける。医師は所長で整形外科医の伊藤博元氏(日本医科大学名誉教授)と、交代で派遣される福島医大の助手6人だ。 県と同大は、ふたば復興診療所に医師を派遣するために、5つの内科系講座(循環器、消化器、腎臓、神経内科、呼吸器)と整形外科講座に、新たに助手のポストを増設した。同大地域医療担当理事の八木沼洋行教授は「医師を一人出すのは講座にとって大きな負担になるが、医療機関は復興のシンボルになる。コストをかけても整備していかなくてはいけない」と強調する。 県立大野病院付属ふたば復興診療所(福島県提供) 2011年の...