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プログラムを相互乗り入れ、県全体で研修医を支援【福島編◆Vol.2】

スペシャル企画 2016年3月27日 (日)  高橋直純(m3.com編集部)

医師不足を解消するための重要な一手が研修医の確保。福島県では福島県立医科大学が中心となり、県内臨床研修病院の18病院が連携する「福島県臨床研修病院ネットワーク」を構築している。全県一体として研修医の教育、支援を行うことを目的として設立された。ネットワークを統括する福島県立医科大医療人育成・支援センターのセンター長、大谷晃司教授は「大学からみたら余計な仕事だが、そんなことは言っていられない。県全体で医師を育てようということ」と説明する。 医師不足は地元の医師養成数の少なさも 大谷晃司氏 震災以前から人口当たりの医師数が少なかった背景には、福島医大の医学部定員が80人だった時期が長いことがある。1984年の10万人当たりの医師数は全国35位で、同じ東北の秋田(40位)、山形(39位)より上だった。しかし、2県では医学部定員が100-120人だったこともあり、2010年には山形(31位)、秋田(34位)に福島(41位)と逆転されている。大谷氏は「現在の医師不足は、人口に対する地元の医師養成数が少なかったという構造的な要因も否定できない」と指摘する。現在の同大の医学部定員は130人(2014年...