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「今の医療に疑問」、キャリア捨てへき地医療へ◆Vol.2

レポート 2016年4月9日 (土)  聞き手・まとめ:成相通子(m3.com編集部)

地域医療振興協会の再研修プログラムを経て、へき地医療に従事する医師を紹介する。元・公立病院の泌尿器科部長、岡裕也氏は53歳で2015年4月に岐阜県揖斐川町の春日診療所所長に就任した。岡氏に、へき地医療を志した理由についてインタビューした(2016年3月5日に実施。計2回の連載)。 ――泌尿器科の専門医からキャリアチェンジを考えたきっかけを教えてください。 揖斐川町春日診療所所長の岡裕也氏。 私は、1986年に愛媛大学医学部を卒業し、奈良県の天理よろづ相談所病院でレジデント医をしていた時に、泌尿器科が専門の吉田修先生(編集部注:京都大学名誉教授)に出会い、泌尿器科医になりました。京都大学大学院では最近の腎細胞がんの分子標的薬治療の基礎となるMAPキナーゼ(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)薬の研究で医学博士を取得し、臨床でもがん治療を専門にしてきました。 神戸市立中央市民病院、京都市立病院、奈良社会保険病院などで勤務し、腎臓がんや前立腺がんなど中心に5000例以上の手術を経験しました。奈良社会保険病院では泌尿器科部長を務め、奈良県で初めての泌尿器腹腔鏡技術認定なども受けました。専門医...