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都立松沢病院紙おむつ異食死裁判、和解内容を詳報

レポート 2016年4月8日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

東京都立松沢病院で認知症の女性(死亡時76歳)が、紙おむつを口にして死亡したのは病院の責任だとして、長女が都に約2500万円の損害賠償を求めた東京地裁(矢尾和子裁判長)訴訟は、都が責任を認めて解決金を支払うなどの内容で和解が成立した。裁判記録を基に双方の主張と和解内容を詳報する。和解は2月17日付。 ※以下の内容は、原告、被告が裁判所に出した訴状、準備書面などでの主張であり、裁判所が事実として認定したものではない。 【原告側の訴状、準備書面】 ■事案の概要 訴状や準備書面によると、原告はアルツハイマー型認知症で2007年に都立松沢病院に入院した。2009年時点では意思疎通は可能であり、自力歩行も行っていた。7月頃から紙おむつの異食が認められ、ミトン装着と身体拘束をされていた。 2010年3月、午後9時20分ごろ、紙おむつのポリマーを食べ、気道閉そくを引き起こしているところを発見。同25分心肺停止。同38分に蘇生したが低酸素脳症で高次脳機能をほぼ喪失。全介助レベルでほぼ言語を発することのない状態で、経管栄養を受けながら終日ほぼベッドレストの状態となった。2015年1月に死亡した。 患者の...