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「研究費不正、欺罔行為に当たらず」、弁護側最終弁論

レポート 2016年3月28日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

元東京大学政策ビジョン研究センター教授の秋山昌範氏が、研究費を不正受給したとして詐欺罪に問われた裁判の第27回公判が3月28日、東京地裁(稗田雅洋裁判長)で開かれ、弁護側は最終弁論で、秋山氏の行為について「欺罔行為に当たらないか、故意が存在しないのであるから、詐欺罪は成立せず、また可罰的違法性もない」と述べ、無罪を主張した。検察は2月の公判で、懲役5年を求刑していた(『元東大教授、「重大な詐欺」で懲役5年求刑』を参照)。判決言い渡しは6月28日の予定。 弁護側の主張を読み解くと、秋山氏の研究費受給について、手続き的に全く問題ないとは言い切れないものの、「形の上で詐欺罪が成立するとしても、刑事犯罪として処罰を必要とするほどの違法性があるとは言えない」という論理展開をしている。 検察は、秋山氏について、2009年度の長寿医療研究委託事業の委託費(以下、委託費)と、2009年度から2011年度の厚生労働科学研究費補助金(以下、科研費)に不正受給があったと主張。IT関連会社計6社と共謀して、業務を行った事実はないにもかかわらず、あるように装って内容虚偽の納品書と請求書を発注、東京大学から189...