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「生化学を3カ月間研究」で学位取得遅れる◆Vol.11

スペシャル企画 2016年4月11日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――卒後3年目になり、第3内科の中で所属したのが、消化器を担当する「長瀬グループ」。 2年間の初期研修を終え、消化器グループに戻ることになりました。その際、長瀬グループを選んだのは、長瀬先生は包容力のある方で、われわれ研修医を低く見ることなく、その立場に立って考えてくださる先生だったからです。長瀬先生の勧めで、最初の3カ月間、生化学教室の門をたたき、生化学の基礎を学ぶことになりました。 生化学教室の当時の教授は、α-AFPをはじめ、腫瘍マーカー研究の分野では世界的権威だった平井秀松先生。大学院生が生化学教室に入った時、この大学院生向けに3カ月間、生化学実験の基礎修練を行っており、他の教室からも参加できる素晴らしいコースでした。長瀬先生ご自身がこのコースで勉強した経験があり、「すごくいいコースだから、君も将来研究をしたいと考えているのだったら、受けた方がよい」と言われました。 コースは全体で10人、さまざまな教室からの参加でした。実験機器の洗い方から始まって、蛋白質の精製・解析、ラジオアイソトープ実験法など、生化学研究の基本となる知識と技術を学びました。 毎週月曜日に平井教授からこの週の...