1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 初の海外学会、教授が質問を通訳◆Vol.14

初の海外学会、教授が質問を通訳◆Vol.14

スペシャル企画 2016年4月14日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

――アルドラーゼのアイソザイム測定法の研究成果を発表するため、1979年9月、イギリスで開催された国際腫瘍マーカー学会に出席した。 実はこの学会は、北大生化学の平井秀松教授が設立したのです。いつもお酒ばかり飲んでいる先生だけれど、本当は大変偉い先生で、イギリスの学会場に着いたら、外国人皆があいさつに来て本当にびっくりしました。平井先生は英語も流暢で、冗談を交え出席者の笑いを誘っていました。私は、学会の受付の段階で英語が全く通じず暗い気分になっていたのですが……(笑)。 発表はもちろん英語。今でも忘れないのは、平井先生が他に用事あったのに、私の発表の時に会場に来て、最前列に座ってくださったこと。発表は無事終わりましたが、質疑に入ると案の定、何を聞かれているのかが全く分からず、立ち往生になる寸前でした。その時、平井先生が「この方法でなぜアルドラーゼAを精製できたのか、と聞いているぞ」と通訳してくれました。それで何とか質問に答えることができ、発表を乗り切ることができました。 ジェノバのレストランにて、左が西先生、右は長瀬先生(提供:浅香氏) 発表翌日の夜、ロンドンの街へ中華料理を皆で食べに行...