1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 米国留学、1年半に8論文の成果◆Vol.15

米国留学、1年半に8論文の成果◆Vol.15

スペシャル企画 2016年4月15日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――1979年9月、イギリスでの初めての海外学会から戻ってから数カ月後、学会で出会ったハーバード大学助教授のアルバート氏から「MGHに留学しないか」と手紙が来た。 年収5000ドルとのことで、当時は1ドル約300円の時代だから、悪くはない条件。けれども、誰にも相談せずに「残念ながら、その給料ではやっていけない」と返事を書いてしまい、西先生と長瀬先生からは「こんなチャンスはないのに」と怒られました。 その半年後、アルバート先生は、テキサス州ヒューストンにあるベイラー医科大学の消化器科の主任教授に昇任されたのです。新しい教室なので、弟子もいないから、「2万ドル出すから来ないか」と誘われたので、一も二もなく「喜んで行きます」と返事をしました。妻からは「あなたは運が強い」と言われました(笑)。文科省の在外研究員にもなることができ、給料面では大変助かりました。 1981年4月からの留学時代の1年半は、私の人生の中でも最も充実した期間でした。日本の大学にいると、臨床と学生への教育、その他の雑務があり、研究は1日数時間しかできなかったからです。一方、ベイラー医科大学では、朝から晩まで研究に没頭できま...