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「浅香君、サウジアラビアに行かない?」◆Vol.16

スペシャル企画 2016年4月16日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

――北大第3内科の講師になったものの、スランプ状態に陥った浅香氏。その転機になったのが、1984年1月から3カ月間のサウジアラビア行きだ。 ある日、中学、高校、大学と計12年間一緒だった、本間さと先生(現北大大学院特任教授)から、「浅香君、サウジアラビアに行かない?」と電話がかかってきたのです。「何、それ?」と聞いたら、「父が、サウジアラビアに派遣する医師がいなくて困っているの。ともかく1回会ってくれない?」と言われたのです。 彼女の父とは当時、札幌医科大学の学長を務められていた和田武雄先生。和田先生は、サウジアラビアなど中東から留学生を受け入れており、中東では最も有名な日本人の一人として尊敬を受けていました。サウジアラビアの厚生大臣との付き合いも深く、その関係で、サウジアラビアの内視鏡センターに、技術指導を行う医師を10数年にわたって日本から派遣していたのです。 しかし、その頃は、札幌医大から派遣する医師がいなくなっていたようです。和田先生にお会いすると、サウジアラビアを中心とする中東の興味深いお話しを伺うことができ、その場で「留学先のヒューストンも暑く、石油の出るところだったので、...