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在宅医療×EBMのケーススタディ

オピニオン 2016年4月8日 (金)  桑原秀徳(病院薬剤師)

在宅医療にエビデンスを活かす――。一見、ハードルが高そうに思えますがそんなことはありません。何より、エビデンスを活用することで薬剤師はもっと確信を持って主体的に在宅に取り組めるはずです。 本連載では、病院薬剤師として在宅医療に携わる桑原秀徳氏に、在宅におけるエビデンスの活用法についてうかがいます。 そのエビデンス、本当にすごい? 前回は「エビデンスを現場に適用する」をテーマに、エビデンスが示す結果をそのまま適用するか否かを考えました。しかし、自分でエビデンスを吟味できるようになれば、その適用の仕方も変わることがあるのです。今回は、私が「薬剤師のジャーナルクラブ JJCLIP」の「インターネット論文抄読会」で視聴者の皆さんと実践している方法を、実際の論文を参考にしながら紹介します。 仮想症例 患者は73歳の男性で、1年前に心筋梗塞を発症。高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病、変形性膝関節症などさまざまな疾患を持ち、各症状に1~3種類ずつ薬が出ており、毎日10種類以上の薬を内服中だ。食べることが好きで、BMIはおよそ25。血清脂質のコントロール不良のため、このたびエゼチミブが追加になった...