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坂口阪大教授、「免疫学の常識覆す」軌跡語る

レポート 2016年4月11日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

坂口志文氏、「定年記念講演会」にて。 この3月まで大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授を務めていた坂口志文氏の定年記念講演会が3月23日、「制御性T細胞研究の35年:発見から応用まで~新たな出発に向けて~」というテーマで、同大で開催された。坂口氏は免疫研究の第一人者で、独自の研究を重ね、免疫学の常識を覆した「制御性T細胞」の発見で知られる。2015年にはその業績が評価され、カナダのガードナ―国際賞を受賞。日本人でノーベル医学・生理学賞に最も近いとされる一人だ。 「最初は、『退官記念講演会』をやるように言われた。まだ研究を続けるつもりなので、(退官と受け止められると)大学院生などが来なくなる。営業妨害だ、と言って、『定年記念講演会』にしてもらった」と笑いを誘いながら、講演を始めた。 講演タイトルは「制御性T細胞性研究の35年 発見から応用まで~新たな出発に向けて~」(提供:坂口氏) 1976年に京都大学医学部医学科を卒業した坂口氏は、すぐに大学院に入り、研究の道に進んだ。制御性T細胞の研究歴は実に35年に及ぶ。制御性T細胞は、その名が示す通り、過剰な免疫反応を抑える細胞。 制御性T...