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胃がん手術の権威が退職記念講演、「医の原点は愛」

レポート 2016年5月13日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

兵庫医科大学外科学上部消化管外科の主任教授をこの3月まで務めた、笹子三津留氏の退職記念講演会が3月22日、同大学で開催された。タイトルは、「命を託されて歩んだ40年」。 「多くの消化器がん患者が手術を受ける時の覚悟は、『この先生に命を預ける』」 講演の最初のスライドで、この言葉を掲げた笹子氏は、「命を託された医師」としての心構えを説くことから始まり、最後のスライドは「医の原点は愛」との言葉で結んだ。 笹子三津留氏 笹子氏は、リンパ節郭清の術式を確立するなど、胃がん治療分野の第一人者で、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)の胃がんグループの代表を務める。日本のみならず、海外でもその名は知られ、世界18カ国で手術した経験を持つ。外科医として自身が数多くの手術を手がけるのみならず、リンパ節郭清の標準術式の確立をはじめ、日本の胃がん治療の標準化とレベルアップに尽力した笹子氏。 その基礎となるキーワードとして挙げたのが、「命を託された医師」と「医の原点は愛」だ。その具現化に当たって求められるのが、「臨床科学(サイエンス)」と「技術者の世界(アート、鍛錬)」。技術の確かさがなければ、サイエンス(エ...