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「検診重視のがん対策」から予防に転換を◆Vol.25

スペシャル企画 2016年4月25日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――2010年3月北大病院長の任期を終え、その1年後の2011年3月、北大を定年退職し、同大に寄付講座として「北海道大学院医学系研究科がん予防内科学講座」を立ち上げ、2015年12月末まで特任教授を務めた。 臨床は病院長時代も、また定年退職後も継続して週1回程度、外来を続けていました。私は卒業以来、現場至上主義を貫いてきており、「現場から学ぶ」が基本原則でした。病院長時代は、「反対意見でもいいから、とにかく全ての情報を病院長に伝えてほしい。情報の質を判断するのは病院長だから」ともお願いしてきました。情報は個人によって受け止め方が異なることがあるため、何が正しいかは判断する人に委ねざるを得ないからです。 病院長は定年退職の1年前に辞めました。教授に戻った最後の1年は、いろいろ忙しく、あまり退職後のことを考える時間はありませんでした。病院長などのポストのオファーもありましたが、北大病院長時代に全力投球したので、全てお断りしました。「がん予防内科学講座」を寄付講座として作るのが決まったのも、退職する数カ月前でした。 北大の寄付講座規定は非常に厳しくて、寄付の目的を提供者の利益に結び付けてはい...