元府立医大教授「データを隠し、査読者の出方見るのは常套手段」
レポート
2016年4月14日 (木)
高橋直純(m3.com編集部)
ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員白橋伸雄被告とノバ社に対する第19回公判が、4月13日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、 前回に続き、KHS(Kyoto HEART Study)の主任研究者を務めた元京都府立医科大学教授の松原弘明氏への弁護側反対尋問が行われた。 弁護側は、CCB(カルシウム拮抗薬)論文作成の過程で、松原氏が別の薬品の影響を記載しなかったことなどを問題視。松原氏は「我々の世界では、あるデータを隠して、指摘されてから査読者の出方を見て足りないデータを出すのは常套手段」と強調した。弁護側はさらに、KHSとは別の基礎研究の論文不正に係る調査の過程で、松原氏が画像を修正しようとしたり、虚偽の証言を部下に求めたりしていたことを明らかにし、研究姿勢を追及した。 データを隠すのは常套手段 弁護側は、本裁判の対象となるKHSの結果をサブ解析したCCB論文の作成過程について細かく確認。松原氏が当初は表に記載されていたACE阻害薬の情報を論文から削除するように指...
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