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「避難先での心・血栓疾患予防を」

スペシャル企画 2016年4月19日 (火)  坂口恵(m3.com編集部)

「発災2~3日ごろからイベント増加」 4月18日、東京都で開かれたメディア向けのセミナーに出席した九州大学循環病態制御学部門特任教授の砂川賢二氏と自治医科大学循環器内科学部門主任教授の苅尾七臣氏に、現時点の被災地で重要と考えられる医療面での優先事項などを聞いた。両氏はともに震災数日後から増加する心血管疾患、血栓性イベントへの対策が重要との見方を示す。 「今回の地震は最初の揺れの後に本震と見られる地震があり、現在も強い余震が続いている。そのため、医療従事者を含むボランティアの受け入れができる状況が整いにくいと聞いている」と砂川氏。「ただ、過去の大震災の事例では発災から2~3日ごろから、被災のストレスにより、心筋梗塞を含む心血管疾患の発症が増えることが報告されている」と話す。 被災地でのたこつぼ心筋症や肺塞栓症の報告も 4月18日現在の熊本県の発表によると、熊本市を中心に638カ所の避難所が設置され、約10万4900人が身を寄せている。 苅尾氏のもとには、既に被災地でのたこつぼ型心筋症や肺塞栓症の患者が発生しているとの情報や、ある避難所では避難者の8割程度に140㎜Hg以上の血圧上昇が見ら...