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熊本から患者111人受け入れ、「地域包括ケア」の発想

スペシャル企画 2016年4月18日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

「私が午後5時頃に病院に戻った時には、既に第一陣の患者が搬送されていた。受け入れた患者は計111人に上り、医師4人でアセスメントを終えた時には午後10時を回っていた」 こう語るのは、医療法人八女発心会姫野病院(福岡県八女市、140床)の理事長を務める、姫野信吉氏だ。同病院は、熊本セントラル病院(熊本県大津町、308床)の入院患者111人の患者の搬送を受け入れた。熊本セントラル病院は、4月14日の夜の地震では建物の損壊を受けたものの、入院は何とか継続していたが、16日未明の本震後、スプリンクラーが作動し、建物7階がほぼ水浸しになり、入院患者約200人を他院に搬送することになった。その半数強を受け入れたのが、姫野病院だ。 熊本県の場合、熊本市には大規模の急性期病院が多く、平時の医療体制は充実しているが、今回の地震ではライフラインの確保も容易ではなく、かつ多数の負傷者が出る中、「なかなか搬送先が見付からなかったらしく、県外搬送になったようだ」(姫野氏)。熊本セントラル病院から姫野病院まで、高速道路を使えば、約1時間30分。16日の実際の搬送時間は分からないが、「搬送に伴い、患者の容体が悪化し...