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薬剤師のためのワクチン入門

オピニオン 2016年4月21日 (木)  石塚稔(多摩大学 医療・介護ソリューション研究所 フェロー)

世界のワクチン 5社と日本 現在、次世代ワクチン候補が続々と開発中だ。米国研究製薬工業協会(PhRMA)によれば、米国で開発中のバイオ医薬品901剤(2011年)のうち、298剤はワクチン製剤であり、抗体医薬の300剤とほぼ肩を並べる。そのため、世界のワクチン市場規模は約2兆円(全医薬品の約3%)から2023年には12兆円(1000億ドル)に成長すると見込まれている。 なお、2011年の世界市場はGSKやサノフィをはじめとする海外企業わずか5社で80%をシェアする独占状態であり、残念ながら国産ワクチンメーカーの存在は見る影もない(右図参照)。 しかし、15年に開催された日本ワクチン学会のテーマは「オールジャパンでの新規ワクチン創製および接種環境向上へむけて」である。日本がワクチン後進国(ワクチンギャップ)の段階からワクチン先進国へと舵を切ったことが分かる。つまり、国家ワクチン戦略の目標は次世代ワクチンおよび国産新規ワクチン創製への挑戦である。 次世代ワクチン開発のポイント 次世代ワクチン開発のポイントを3つ挙げる。 1つ目は混合ワクチン。複数の感染症を予防(個人免疫)するとともに、接種...