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ガードナー国際賞受賞の原点 - 坂口志文・阪大特任教授に聞く◆Vol.1

インタビュー 2016年5月1日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

この3月まで大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC)教授を務めていた坂口志文氏は、免疫研究分野の第一人者。世界的にもその名は知られる。免疫学の常識を覆したとされる制御性T細胞の研究が高く評価され、2015年にはガードナー国際賞を受賞した。定年退職後も同センターで制御性T細胞に関する研究を精力的に進める意向だ(『坂口阪大教授、「免疫学の常識覆す」軌跡語る』を参照)。 坂口氏は1976年3月に京都大学医学部医学科を卒業した医師。いかなる研究人生を歩んできたか、その横顔を追いつつ、若手研究者、医師へのエールも込めて、医療との接点を踏まえた基礎研究の面白さと意義について語っていただいた(2016年3月23日にインタビュー。計7回の連載)。 ――先生がそもそも医師を目指された理由は何でしょうか。 私の母親が医師の家系なのです。私のいとこにも医師が多く、そんな環境の中、田舎で生活していたので、医師という職業に親近感があったことが一つ。 もう一つは、医師は手に職が付く仕事であること。数学がずば抜けてできたのだったら、理学部に行ったりしたのでしょう。自分の能力を考え、勉強をすればなれる職業...