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臨床とサイエンス、両立は可能 - 坂口志文・阪大特任教授に聞く◆Vol.6

インタビュー 2016年5月30日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――昨今はトランスレーショナルリサーチの重要性などが言われていますが、京大からここ阪大に移られたのは、ヒトでの臨床研究に取り組みやすい環境があるからでしょうか。 新しいことをやろうと思ったら、場所を変えるのが一番いいわけです。いろいろな人を新しく巻き込んで研究しようと思った時に、プロジェクトを立てやすいからです。それが移った理由の一つ。もう一つは、免疫関係に理解があることが阪大の強みだからです。 ――阪大は免疫研究の歴史がある。 岸本先生(阪大名誉教授の岸本忠三氏)の研究に見るように、ヒトへの応用に関しても、あまり抵抗がない。僕自身、定年まで何年もあるわけではなかったので、最後に「少し思い切ってやろう」と考えた時に、阪大から呼んでいただいたのはありがたかった。 制御性T細胞の研究で、数多くの賞を受賞した坂口志文氏。 ――「新しいこと」と言われましたが、どのように研究テーマを変えたのでしょうか。 トランスレーショナルリサーチとは少し違うのですが、今までの基礎免疫学に加えて、マウスでの応用だけでなく、ヒトのリンパ球を使って、ヒトで研究をする、「質のいいヒトの免疫学を始める」のが一つのテーマ...